ramgu

Conceptこころ宿る道具

ramgu(ラムグ)は「こころ宿る道具」をコンセプトに
二風谷の若手職人と作る生活道具ブランドです。

アイヌの伝統的な考えでは、自然のあらゆるものは
魂が宿っており、カムイ(神)と認識されていました。
日常的に使う道具にさえ、彫刻や刺繍で丁寧に文様が施されているのは、
人間が作った道具であっても魂が宿ると考え、大切に扱う
アイヌの精神の豊かさを表していると私たちは考えます。

「こころ宿る道具」とは、
ものそのものが持つこころ。
作り手の職人たちのこころ。
そして使う人のものを愛おしいと思うこころ。
この3つのこころを大切にしてつくる道具です。

ただ飾るだけではなく、使いたくなるものを。
使うほどにアイヌの人々の精神の豊かさを感じ、愛着の湧くものを。
アイヌの道具が、暮らしの中で日用品として大切に使われていたように
変わりゆくライフスタイルの中で、
変わらずに使い続けられるものづくりを目指しています。

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Aboutアイヌ・二風谷・私たちについて

アイヌについて

みなさんは2018年に実施された「北海道命名150年」という各種イベントをご存じでしょうか?
北海道全域が日本に統治されるようになったのは約 150年前からですが、それよりもずっと前、1万年以上前から私たちアイヌの祖先はこの土地で生活をしてきました。
当時のアイヌは、日本とは全く異なる独自の文化・風習で暮らしていましたが、日本の統治後その状況は一変しました。伝統的な風習や、民族独自の言葉であるアイヌ語を禁止され、生活のあり方さえも変えさせられてしまいました。

そういった苦しい状況の中でも、我々アイヌの先祖は、自分たちが築いてきたこの大切な文化を、少しでも次世代に残そうとしてきました。そのような想いを受け継ぎ、さらに次世代にバトンを繋ぐ。現代を生きるアイヌにもその思いは受け継がれています。

アイヌについての全てをこの場で簡単に説明することはできませんが、興味を持っている方はぜひ自分の目と耳、足を運んで知るところから始めてみてください。


アイヌの伝統技術を残す二風谷のまち

平取町・二風谷は日高地方の西端に位置し、豊かな自然に囲まれ、アイヌ文化の拠点となる町の1つとして知られています。四季折々の風情を映して流れる美しい沙流川は、平取町のシンボル。沙流川の流域では、先史時代から人々の生活の足跡が残されており、アイヌ文化の時代にあっては道内で有数のコタン(集落)が形成されていました。

二風谷は、アイヌ文化を色濃く残す地域として、古くから研究者が入り、アイヌ語やアイヌ文化についてのたくさんの記録が残っています。北海道観光ブームの時代には、木彫り熊をはじめとする土産物の製造販売をしながらも、アイヌの手工芸品の伝統技術を現在まで、途切れることなく伝え続けています。


私たちが大切にしている3つのこころ

ものそのものが持つ“こころ”
アイヌは木や草の知識が豊富で、身の回りで手に入る素材の特性を理解し、その特徴を生かして使い分けていました。素材を無駄にせず、作る道具に合わせて適切な材料を選び活用していく“こころ”を大切にします。
作り手の職人たちの“こころ”
アイヌ文様は作り手の個性と思いが反映されたものです。伝統的なアイヌ文化、アイヌ文様を大切にしながら、二風谷の職人と日常的に使える製品を作ることで、作り手が誇りを持ってものづくりができる“こころ”を大切にします。
使い手のものを愛おしいと思う“こころ”
ふとした瞬間にものに対して愛おしいという気持ちが生まれます。例えば、ものづくりの背景を知った時。使い始めてから気が付く気の利いた機能。メンテナンスを経て味わい深く経年変化していく姿。アイヌが1つ1つのものにアイヌ文様を施し大切にしていたように、使うほどに愛着の沸く“こころ”を大切にします。

アイヌ文様について

代表的なアイヌ文様
  • アイウシシリキ

    アイウシノカ=棘のある形

  • シクシリキ

    シクノカ=目の形

  • エアラモレウシリキ

    モレウノカ=渦巻きの形

アイヌ文様は、基本となるいくつかの要素を組み合わせてつくり、対称に描かれる事が多いのが特徴です。文様を施した部分と残した部分、そのちょうど良いバランスが美しいアイヌ文様を生み出します。ramguの製品はこれらの要素をもとに、オリジナルの文様をデザインしています。

二風谷の伝統技法「ラムラムノカ」
二風谷の伝統技法「ラムラムノカ」
魚のウロコを模して彫られたというラムラムノカは、二風谷イタでもよく見られる二風谷の彫刻の特徴的な文様です。このウロコ彫りが製品に陰影をつくり、その他の要素を浮き上がらせる働きをします。

※シクノカの「ク」・アイウシノカの「シ」・ラムグとラムラムノカの「ム」は小さい字

第一弾商品 アイヌ文様の
カッティングプレート&鍋敷き

Cutting Plateカッティングプレート

アイヌのこころ宿る
カッティングプレート

二風谷といえば、代表的な伝統工芸品である二風谷イタがありますが、イタ以外にもアイヌは様々な木製の調理道具や器を使い分けていました。

例えば、まな板の中でも、骨つきの肉を切り刻むといった荒い使い方をする場合は「イタタニ」と呼ばれる肉切り台を、山菜類を刻むなどもう少しこまやかな使い方をする場合は「メノコイタ」と呼ばれるまな板を使用していました。

木や草の知識が豊富なアイヌは、食材に匂いがうつらないよう、まな板にはカツラのような匂いの少ない木材を使うなど、素材の選定も合理的に行っていました。

まな板といえば、板を切り出しただけの簡単な道具に思われがちですが、そんな身近な道具にさえ、丁寧にアイヌ文様が施されていたことからも、一つ一つの道具を大切にしようとするアイヌの思いを感じ取ることができます。

アイヌ文様の彫刻が食卓に華を添え、
未使用時は美しく佇むインテリアに。

持ち手の部分に、一つ一つ職人の手で丁寧に木彫りを施しました。 ワンポイントでありながら存在感のあるアイヌ文様が、料理や食卓に華を添えます。
また、通常カッティングボードはキッチンに立てかけけて保管されることが多いため、何かと目に入りやすいもの。未使用時はキッチンのインテリアとしての美しい佇まいにこだわりました。

「メノコイタ」の要素を取り入れ、
まな板兼プレートの役割を果たす。

アイヌが実際に使用していた「メノコイタ」という伝統的な道具は、平らな部分で食材を刻み、くぼみ部分に盛り付けるという、まな板兼ボウルのような役割を果たしていました。小型のものは供応用として用いられ、料理をのせた状態で刃物と一緒に食卓に出し、お客は自由にそれらを切り分けて食べていたそうです。

その要素を取り入れ、まな板の形状に合わせて凹みをつけ、プレートとしての使い勝手も考えました。例えば、チーズや生ハムと一緒にオリーブやナッツを添えたい時、メインディッシュに薬味を添えたい時など、くぼみ部分に盛り付ければ、こぼれ落ちることを防いでくれます。まな板として広い面積を使いたい場合は、裏面を使用することもできます。

握るたびに感じる、木彫りの手触り

長く愛用できる道具を作るために意識したのはリアルな使い勝手。 そのため、形状はサーブしやすい”持ち手付き”にして、女性でも男性でも持ちやすいサイズ・重量感を目指しました。
握る度に木彫りの手触りが感じられ、経年変化により色や風合いが味わい深く変化していくことで、使うほどに愛着の沸く日常の道具となります。

商品詳細
素材
カツラ(北海道産)
仕様
蜜蝋仕上げ
サイズ
Lサイズ:長さ38×幅19×厚み1.4cm(持ち手を除いた長さ 約28.5cm)
Mサイズ:長さ32×幅16×厚み1.4cm(持ち手を除いた長さ 約23cm)
重さ
Lサイズ:約373g Mサイズ:約255g ※個体差あり
価格
Lサイズ:16,500円(税込) Mサイズ:14,300円(税込)
製品のお取り扱い
  • ●カツラの木は中心に向かって赤くなる傾向が強い木材のため、木目の出方や色合いに個体差があります。特に集成材は、継ぎ目の部分で色差が大きい場合がございます。天然素材特有の個性としてご理解ください。
  • ●ご使用の際はなるべく包丁の刃先で切るようにしてください。包丁のあごや先端が強く当たると、木に削れやへこみが発生します。
  • ●カッティングプレートは全て蜜蝋仕上げとなっております。ご使用後は早めに汚れを洗い流し、水気を拭き取って十分に乾燥させてください。濡れたまま放置するとカビや黒ずみが生じる可能性がございますのでご注意ください。
  • ●ご使用環境によっては反りや割れが発生する場合がございます。なるべく風通しの良いところで保管して下さい。温風の当たる場所や、直射日光の当たる場所での保管はお避けください。
  • ●天然素材のためお使いいただくうちに色や風合いが変化していきます。アイヌ文様もまた違った表情になっていきますので経年変化としてお楽しみください。
  • ●電子レンジ・オーブン・食洗機・漂白剤は全て使用不可となります。
  • ●殺菌消毒をする場合は、水と洗剤で洗った後、水気を切り熱湯をかけて殺菌してください。汚れを落とす前に熱湯をかけてしまうと、食材のタンパク質汚れが固まってしまうのでご注意ください。
お手入れ方法について
●製品の乾燥が気になってきたら、定期的に亜麻仁油などの乾性油を塗って下さい。オリーブオイルなどを塗る場合はベタつきやすいので、ごく少量を塗布してよく拭き取ってからご使用下さい。

Trivet Mat鍋敷き

アイヌの伝統的な道具
「ヌイトサイェプ」を
身近な道具として使える鍋敷きへ

カッティングプレートと合わせて、一緒に使える鍋敷きも作りました。アイヌの伝統的な道具「ヌイトサイェプ」という糸巻きを鍋敷きに見立ててリサイズし、身近な道具へとアップデートしました。

十字形なのでテーブルに置いても掴みやすく、Mサイズは珈琲サーバーやティーポットの下に、Lサイズは土鍋やフライパンの下に敷くのがおすすめです。柄や色のバリエーションも増やしているので、好みに合わせてお選びいただけます。

昔の道具から見えてくる
アイヌの思い

「ヌイトサイェプ」は元々糸巻きとして作られた物なので、糸を巻いてしまうと彫刻が隠れてしまいます。それを分かっていながらも、アイヌは丹念に文様を彫って大切にしていました。昔のアイヌが作った道具には、このように機能としては必要がなくとも施された細工が数多く残されています。

鍋敷きも同様に上に物を置くと彫刻が隠れてしまいますが、アイヌの考え方やものの背景を知ることで、大切な道具に木彫りをするという行為そのものに、アイヌの精神(こころ)の豊かさを感じていただけるのではないでしょうか。

※「ヌイトサイェプ」の「プ」は小文字

商品詳細
素材
カツラ(北海道産)
仕様
ナチュラル:蜜蝋仕上げ
ウォルナット:ワックス仕上げ
サイズ
Lサイズ:長さ15×幅15×厚み1.4cm
Mサイズ:長さ12×幅12×厚み1.4cm
重さ
Lサイズ:約120g Mサイズ:約70g ※個体差あり
価格
Lサイズ:7,700円(税込) Mサイズ:6,600円(税込)
製品のお取り扱い
  • ●カツラの木は中心に向かって赤くなる傾向が強い木材のため、木目の出方や色合いに個体差があります。特に集成材は、継ぎ目の部分で色差が大きい場合がございます。天然素材特有の個性としてご理解ください。
  • ●ご使用後は早めに汚れを洗い流し、水気を拭き取って十分に乾燥させてください。濡れたまま放置するとカビや黒ずみが生じる可能性がございますのでご注意ください。
  • ●ご使用環境によっては反りや割れが発生する場合がございます。なるべく風通しの良いところで保管して下さい。温風の当たる場所や、直射日光の当たる場所での保管はお避けください。
  • ●天然素材のためお使いいただくうちに色や風合いが変化していきます。また、熱い鍋やフライパンなどをのせると焦げ目がつく場合がございます。アイヌ文様もまた違った表情になっていきますので経年変化としてお楽しみください。
  • ●電子レンジ・オーブン・食洗機・漂白剤は全て使用不可となります。
お手入れ方法について
●製品の乾燥が気になってきたら、定期的に亜麻仁油などの乾性油を塗って下さい。オリーブオイルなどを塗る場合はベタつきやすいので、ごく少量を塗布してよく拭き取ってからご使用下さい。

Obsessionものづくりへのこだわり

使いたくなる道具を作ること

できるだけ多くの人に手にとってもらえるよう私たちが特にこだわったのは、使いたくなる道具を作るということ。

アイヌの民具は、かつてはアイヌにとって身近な生活の道具として使われていたものですが、現在では1人の作家の作品として、アートや装飾品として扱われることが多くなっています。その背景の一つとして、完全手作業による売値の高騰が挙げられます。

そこで私たちは、効率よく生産をするために
①道産木材を使用すること
②北海道内で製造を完結すること
2点を条件として、木材の仕入れからカット加工までを別の工場に依頼し、木彫りと仕上げを二風谷で行うという分業制で商品を製造することにしました。

製造のご協力を頂いたのは、南幌町にある広教資材株式会社のみなさま。
道産木材の加工から製品の製造まで一貫して行っており、依頼があれば幅広く木製品を手がけられています。アイヌ文化へのリスペクトを持った社長の押岡様が、私たちの取り組みに共感していただき、この度協力工場としてお手伝いしていただけることになりました。

今回使用している北海道産のカツラ集成材は、木表と木裏をそれぞれ交互に合わせて貼り合わせることにより極力反りにくくなるようにつくられています。木彫り前の土台はNC機という機械を使用して量産できるよう設計し、形状の細かな微調整を重ねました。

二風谷で職人を目指す若手が
1つ1つ丁寧に仕上げた木彫り

アイヌ文様のデザインは、二風谷の岡本さんと共に考えました。 岡本さんはこれから二風谷の伝統工芸の継承を担う若者の一人です。
手書きでたくさんのラフスケッチを描き、二風谷の伝統技法「ラムラムノカ」というウロコ彫りを取り入れながら、仕上がりの美しさやバランスを考慮してデザインを考えていきました。

このようにramguの製品はアイヌ文様のデザインを実際に彫る職人に依頼することで、作り手自身ができるだけ誇りを持って取り組んでいただけるようにと考えています。岡本さんの丁寧な仕事が少しでも多くの方に届くことを願っています。

How to buyご購入方法

ramguオフィシャルブランドサイトをご覧いただきありがとうございます。
兼ねてより準備を進めて参りましたオンラインストアを7/1よりオープンさせていただきました。
商品数はまだ少なく至らない点もありますが、皆様のご期待に添えるような新商品も追加していく予定です。
今後ともどうぞよろしくお願いします。

ramgu ONLINE STORE

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